哀歌(エレジー)
投稿します。
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雨はしょぼ降る 裏路地暗い
男怠(だる)いし 女も重い
日がな一日 一升かかえ
酒を飲むのも いつしか癖に
ああ 季節外れの 風鈴ひとつ
風に吹かれて チリンと鳴れば
虚しさ百ほど 押し寄せる 押し寄せる
夢をみるほど 若くもないし
男幾つか 女も年増
煙草蒸せば 煙りが踊り
やがて煙りも 儚く消える
ああ 夜毎抱きあい 情だけ交わす
枕詞も ちと恥ずかしい
時化った布団の うそ寒さ うそ寒さ
町は日暮れて 灯りがともる
男あす無し 女も同じ
腐れ縁だと 一緒に笑い
世間相手に シカトを決める
ああ 憂い漂う 六畳一間
破れ障子が 哀れさ誘う
何処(いずこ)へ捨てよう 溜め息は 溜め息は