侘しげに

 

 

「侘しげに」

投稿します。

 

 

 

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風吹(ふぶき)に震える  縄暖簾

場末の寂(さび)れた  北酒場

男は身体に  (だん)をとり

女は横顔  見つめてる

名前も知らない  ゆきずりの

出逢いになるやら  ならぬやら

色気は微塵(みじん)  ないけれど

 

 

 

有線放送  流行り歌

どれもが切ない  物語

男は寡黙に  酒を飲み

女は誰かを  重ねてる

それでもポツリと  声交わし

静かに酌して  酒に酔う

カンバン間近の  夜が更け

 

 

 

カモメが寒空(さむぞら)  飛んでいる

どうにも足もと  おぼつかず

男は右へと  背を向けて

女は小さく  手を振った

どこにもあるよな  ワンシーン

似たもの同士の  ふたりだね

胸底(むなそこ)昔が  侘しげに

 

 

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