「女郎花」 組曲みたいに書いてみました。
その一 身売り
その二 ああ ふる里
その三 廓恋唄
その四 あたしは女郎花
その五 挽カラス
その六 袖ひく女
その七 壁心中
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
忘れもしません
十五をむかえた 寒い朝
忘れもしません
母さんに連れられ 身売りした
ああ なんにも知らない 小娘が
紅い襦袢に 肌かくし
無理やり女に なりました
泣いたりしません
宿命(さだめ)と諦め 髪を梳く
泣いたりしません
白粉(おしろい)をはたいた 意味がない
ああ 一輪挿しの 暗い部屋
枕が二つ 並びます
じっと目を閉じ 一夜妻