「春夏秋冬置屋にて」
投稿します。
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紅を引いたら 襦袢着て
今宵抱かれる 男(ひと)を待つ
夜に咲いては 朝に散る
これが定めの 女郎花(おみなえし)
置屋三月 春浅く
お前だけだと 言ったって
どうせ寝言か 戯(ざ)れ言か
朝になったら 他人顔
今度あるやら ないのやら
置屋八月 蝉がなく
こんな暮らしに 疲れ果て
作り笑いも いやになる
ふっと溜め息 ついたなら
しけたヤツだと 笑われた
置屋十月 窓に月
好きだ惚れたは 常套句
枕詞か 夢うつつ
肌が離れりゃ それっきり
心あるやら ないのやら
置屋一月 淡い雪